国家国民の平穏の神勅を受けた三女神を祀る
宗 像 大 社
総社 辺津宮(へつぐう)
鎮座地 福岡県宗像市田島2331
JR鹿児島本線「東郷」駅下車。西鉄バス神湊行き10分、「宗像大社前」下車。
神社案内石碑「大社宗像神社」
御祭神 市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)
宗像三女神を祀る神社であるが、辺津宮の近くの港、神湊(こうのみなと)
から約11キロ沖の大島にある中津宮に湍津姫神(たぎつひめのかみ)、
さらに50キロ沖の、「海の正倉院」と呼ばれる沖ノ島の沖津宮に
田心姫神(たごりひめのかみ) が祀られており、この三宮を総称して
宗像大社と称すが、辺津宮を指す場合も多い。
御由緒 『記紀』によれば、宗像三女神は天照大神と須佐之男命
が高天原で契約(うけい=神聖な占い)をしたとき、大神が
須佐 之命の剣を三つに折り噛み砕いて吹き出した霧の中
から生まれ、大神の神勅(神の命令)で北九州の玄海灘に
降って海の守護神となるように命じられた。
神勅
天孫(あめみま)を助け奉(まつ)りて
天孫に祭(いつ)かれよ
(歴代の天皇をお助けすると共に歴代の
天皇から篤いお祭りをうけられよ の意)
以来、国家守護の神として沖津宮・中津宮・辺津宮に鎮座
されている。
田心姫神が鎮座する沖ノ島は玄海灘に浮ぶ周囲四km孤島
で島全体が御神体で女人禁制の島。現在は緊急避難港に
指定されているが、男性も上陸のときは禊をしなければなら
ない。
三宮の位置図
御神徳 古代から国家守護・海上交通の守護の神として深い
信仰を示して来た。遣唐使も航海の安全を祈願した
と云われる。
現在は新車購入の際に御祓いを受ける人も多い。
500台駐車できる駐車場 大きくて立派な祈願殿
広い駐車場と立派な造りの祈願殿が参拝者の多さを物語っている。
駐車場入口の一の鳥居
一の鳥居をくぐり、ゆったりとした境内には池(心字池)が配してあり、
社殿には、池に架けられた石の太鼓橋を渡って参道を歩く。
心字池 太鼓橋
勅使館 手水舎
御神門
大正14年(1925)建立。
流破風造り、銅板葺。
狛犬 (吽形) 狛犬(阿形)
【本殿・拝殿(国指定重要文化財)】
現在の本殿・拝殿は弘治3年(1557)焼失したのち
本殿は天正6年(1578)大宮司宗像氏貞により再建、
拝殿は天正18年(1590)小早川隆景により再建された。
拝殿
横六間入三間、梁間を正面に
向けた切妻妻入造り、単層杮
葺き。
拝殿内部 拝殿扁額
本殿
五間社流造り、杮葺きで桃山
時代初期の特色をよくあらわ
している。
【末社】
現在本殿周辺に、22の社殿に127柱が祀られている。
これは寛文2年(1662)、当時の宗像郡周辺の群の一部
に鎮座していた75社、108神を元宮としてお祀りした。
御神木
楢の木 相生の樫
高宮祭場・第二宮・第三宮参道入口
参 道
宗像三女神のうち。長女神(沖ノ島)次女神(大島)は玄海灘洋上に
鎮座しているため、第二宮と第三宮をお参りすれば宗像三神を拝した
と云われる。辺津宮を第一宮という。
昭和50年(1975)伊勢神宮より下賜された神宮古材で建設された。
第二宮(ていにぐう)
沖ノ島・沖津宮 御祭神 田心姫神(たこりひめのかみ)
第三宮(ていさんぐう)
大島・中津宮 御祭神 湍津姫神(たぎつひめのかみ)
高宮祭場(古代祭場)
境内背後の宗像山中腹にあり
宗像大神降臨の地と云われ、
御殿はなく、庭上祭祀の形を
継承している。
宗像山中腹からの遠景
田心姫神鎮座の沖ノ島は昭和29年から三次にわたる学術調査が
行なわれ23箇所の祭祀遺跡と12万点に及ぶ祭祀遺物が発見され、
質・量ともに群を抜く秀品の数々は「海の正倉院」と呼ばれている。
また、2009年に宗像大社と沖ノ島全体を含め、世界遺産暫定リスト
に追加掲載されている。
参考資料・図書
・宗像大社発行 各パンフレット
・文化百選 西日本新聞社
・日本「神社」総覧 新人物往来社
・福岡歴史百景 後藤光秀著 葦書房
・全国神社大要覧 リッチマインド出版事業部
・各駅停車歴史散歩「福岡県」 西日本新聞社
・元気をもらう神社旅行 辰宮太一他著 JTBパブリッシング